【昭和35年/1960年製のお雛様をリペアした】⑤お雛様の裳と官女の表着(打掛?)
お雛様のオリジナルの裳を見てみる
大胆な柄、裳にしては短すぎるのもちょっと気になります。
変色し、生地自体の傷みも激しいので思い切って取り除きました。
裳の種類は時代によって異なります。古いものは腰で縛ってつける。室町あたりになると簡略化されてあらかじめ結んでおいた帯を頭からかぶって肩にかける「かけ帯つきの裳」が一般的になりましたが、江戸後期天保十四年の平安様の御再興によって、再び腰で縛る形にもどりました。
現在、販売しているお雛様はどちらのタイプもありますね。
うちのお雛様も正面からみると「かけ帯」がついてるのがわかるんですが、そこは見なかったことにして、腰に結ぶタイプの裳を新たに作って着けました。
裳の作成にあたっては、いつものごとく「有識装束大全」のお世話になっております。
次は官女の表着です。
三人官女のうち、真ん中の杯を持つ官女だけが白の小袖姿のままです。
両端の官女たちは表着…というか打掛っぽいものを着用しています。(明治時代の錦絵の御殿女中さんみたいですね。)
なので真ん中の官女様にも、それっぽいものを着せてみました。
雛人形によっては両端の官女は独身の紫袴、中央のみ既婚者の朱の袴だったりすることもあるので、イメージは女官長。少し落ち着いた柄の着物にしました。
今回の裳も表着も針と糸は使わず、「裁ほう上手」という布用接着剤を使用しました。
なかなか便利です。